1.はじめに
右図の回路は、TWV-551/552をはじめとする当社耐圧試験器の
出力電圧検出回路である。今回基板改版に伴い評価を行った所
検出電圧値が設計値と異なることがわかった。その内容を記す。
2.回路説明
高電圧出力は、20MΩ×2の抵抗を介してCN16①に入力される。
電流は、メータ回路(緑丸部)と検出抵抗(R51:36kΩ)を通り
GNDに流れるが、この部分の抵抗値は40MΩに対し十分小さい
値となるので、例えば出力電圧5kVの時の電流は、
5kV/40MΩ=125μAと計算できる。よってR51の両端の電圧は
125μA×36k = 4.5Vになると考えていた。
3.実際の計測値
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②が4.5Vに対し3.64Vしかない。 ③④は、②の平均値出力と なるので、 3.64×2√2/π = 3.27V ほぼあっている。 |
4.原因
右の全波整流回路に於いて、オペアンプの★印の点は
イマジナリーショートとなるため、GND電位となる。
よって、前述した125μAの電流はR52,R54にも
流れることになる。これは即ち検出抵抗値は36kΩ
では無くR51//R52//R54の29kΩとなることを意味し、
検出電圧は、29kΩ×125μA = 3.625Vとなる。
実際の計測値も3.64Vなので合う。
5.シミュレーション結果
回路
結果
I0から、I1,I2分が減ってI3になっている。
6.結論
オペアンプを使った全波整流回路に於いて検出抵抗を用いる場合、
その抵抗値は全波整流回路の抵抗との合成抵抗になることに留意すること。