1.はじめに
 これまでPICマイコンを用いて7セグメントLED表示回路を製作し、デジタルパネルメータやタイマとして利用してきた。
 しかし直接7セグメントを駆動すると28pマイコンではピン数が不足してしまうため、40pのマイコンや複数のマイコン
 を用いて対応してきた。今回、CLKとDATA線2本で制御可能なIC TM1637[TitanMicroElectronics] が100円程度で
 入手できるので実験を行った。結果、とても簡単な回路で6桁分のLED表示とスイッチ入力が出来たので紹介する。

2.実験回路
 (1)7セグメントLED(アノードコモン)5桁(電流制限抵抗は不要)
 (2)LED8個
 (3)押しボタンスイッチ8個(このICは同時ONはできない仕様)
 (4)PIC18F25K80、ポートPC4、PC5でTM1637を制御
 (5)ボリュームにより輝度調整(8段階)
 (6)表示は、ADコンバータ計測値とタイマを切替表示
XB22005A
  CLK、DATA信号に直列に1kΩを入れ、TM1637側で波形観測することで、Low出力している側を明確にしている。
  ( Lowレベル閾値は0.3Vdd=1.5Vなので、問題なく動作する)

 実験基板写真(輝度を変えて撮影)
     XB22005A      XB22005A

3.6桁連続表示シーケンス
XB22005A

XB22005A

  (1)連続書込みモードコマンド(0x40)送信
  (2)書込みアドレスコマンド(0xc0)送信
  (3)6桁LED表示データ(6データ)送信
     ”7753″、’消灯’、’LD8点灯’
  (4)輝度データコマンド(0x8c)送信で完了
     約1.5msecで1回の転送完了する。
     現状は100msec毎にデータ更新している。
XB22005A

4.スイッチ入力シーケンス
 (1)シーケンス
XB22005A

XB22005A
    K1,K2とS0-2の組み合わせで、16個のキーを表現している。

 (2)スイッチ入力時の波形

①何も押されていない時
XB22005A
②SG1が押された時
XB22005A
赤:CLK,黄:DATA(20μsec/div)
③SG7が押された時
XB22005A

5.結論
 (1)安価に7セグメントLEDのドライブ回路及びスイッチ入力回路が実現できる。
 (2)PICマイコンの空きピンに余裕が出来、小ピンマイコンで低価格が実現可能。
 (3)コンパレータ付きデジタルメータや、2段タイマなど多用途なパネルメータの製作に使用する。