1.まえがき
各種直流電源を製作するなかで、
三相12相(24相)整流回路用変圧器を設計製作しています。
この変圧器の特徴として
1) 2次側巻線YとΔの電圧を合わせる必要があり、
これが異なると、整流後の直流電圧及びリップル電圧の
仕様を満たせなくなる。
2) 変圧器の容量が大きくなるほど、1回巻き当たりの電圧が
高くなり、YとΔの電圧を合わせるのが難しい。
3) 更に、出力が低電圧で大電流になるほど巻数比を
合わせることが、困難になる。
これらの課題がありました。
2.三相五脚鉄心変圧器の特徴
外鉄型である、五脚鉄心構造にすると通常の内鉄型三相変圧器の 【三相五脚鉄心変圧器の外観】
巻数は1回巻き単位に対し、 0.5回巻きが可能となります。
つまり、巻数の選択肢が増え、YとΔの2次電圧を
合わせることができます。
3.変圧器単体としての代表事例。(設計値)
項 目 | 仕 様 | ||||||
名 称 | 乾式12相整流用変圧器 | ||||||
容 量 | 100kVA | ||||||
1次電圧 | AC400V(50/60Hz) | ||||||
2次電圧 | Δ:AC70V Y:AC70V | ||||||
2次電流 | 410A×2回路 | ||||||
耐熱クラス | H | ||||||
鉄心構造 | 五脚鉄心(外鉄型) | 標準型鉄心(内鉄型) | |||||
外観寸法 ※1 | W795×H570×D370mm | W740×H590×D400mm | |||||
質 量 | 約540kg | 約540kg | |||||
Y-Δ間の 2次電圧差 ※2 |
0.1% (巻数0.5回有り) |
4% |
※2 無負荷電圧時の比較
4.結果
1)三相五脚鉄心変圧器は外鉄構造ゆえに横幅寸法が増えます。高さは若干低くなり、
質量は標準型変圧器と同レベルとなります。
2)五脚鉄心変圧器のY-Δ間の2次電圧差は0.5回巻きを行うことで小さくなります。
5.三相12相サイリスタ整流回路
弊社技術資料 http://www.tokyo-seiden.co.jp/technic/12ph/参考にご覧ください。