◆概要
近年パソコンの普及に伴いサーバー用の電源の需要も増加しており、省エネの為、サーバー用の電源の
高効率化が求められています。その中で、電力変換効率の規格に「80PLUS」というものがあり、
この規格を満足させるべく用いられるのがLLC電源です。
◆LLCとは
LLC電源とはLLC共振コンバータとPFC(力率改善コントローラ)を組み合わせたスイッチング電源であり、
LLC共振コンバータは、少ない部品で構成された高効率、低ノイズを兼ね備えたコンバータです。
そもそもLLCとは何かの略語ではなく、トランスの漏れインダクタンスLsと励磁インダクタンスLp、
コンデンサCrの共振を利用したもので、これがLLC共振コンバータの由来となっています。
◆80PLUSとは
電力変換効率が80%以上の変換効率を備える製品に与えられる認証です。「80plus Titanium規格」を超える
効率を目標とし、最大効率97%を目指し開発しています。下記表は、230V入力時のものになります。
BRONZE | SILVER | GOLD | PLATINUM | TITANIUM | |
負荷率20% | 81% | 85% | 88% | 90% | 94% |
負荷率50% | 85% | 89% | 92% | 94% | 96% |
負荷率100% | 81% | 85% | 88% | 91% | 91% |
◆回路の特徴
<メリット>
・ZVS(ゼロ電圧スイッチング)によるスイッチング損失と
ノイズを低減することで高効率が実現できます。
・LLC共振回路は部分電圧共振であり、電圧、電流ともに共振する
為、整流時の逆回復時間によるノイズの発生を抑制できます。
<デメリット>
・一般のPWM制御に比べて出力の制御幅が狭いため、
変動の大きい負荷には使用することができません。
◆参考仕様例
図番 | PS-GI0132 |
入力電圧 | AC100V~240V |
出力電圧 | DC12V |
出力電流 | 70A |