suc-12080s

1.はじめに
 SUCシリーズは、交流入力だけでなくソーラパネルなど自然エネルギー
 からのバッテリ充電を行うことができる無停電電源(UPS)です。
 電力(容量)とバッテリ電圧(12V/24V)の組み合わせから、
 全8機種をラインナップしています。  右の写真は800W/12Vタイプです。

2.主な仕様

大項目 項目 仕様
交流  入力電圧  単相100V 周波数 50/60Hz
 出力電圧  単相100V 波形:正弦波
 周波数は入力に合わせて設定が必要です
 出力電力  800W/1200W/1600W/2200W
 出力切替時間  10msec以下
バッテリ  公称電圧 12V 24V
充電  ソーラパネル最大入力電圧 30V 55V
 充電電圧 14.2V/14.6V切替 28.4V/29.6V切替
 最大充電電流
 (ソーラ充電、交流入力からの充電とも同じです。)
20A 10A

3.特徴
 ・動作モードとして、UPSモード(通常のUPS動作)とSAVモード(自然エネルギー優先)があります。
  UPSモード:通常は交流入力をバイパス出力していて、停電時はインバータ出力となります。
  SAVモード:ソーラパネルからの電力供給を期待した動作です。バッテリ電圧が閾値以上(12V仕様なら11V以上)
   の場合は、常にインバータ出力しており、バッテリ電圧が下がった場合のみ交流入力をバイパス出力します。
 ・出力切替わり時は周波数位相を合わせています。具体的には、電源を投入すると最初はインバータ出力となり、
  内部で位相合わせが完了してから交流入力をバイパス出力します。
  バイパス出力中は、内部で位相合わせを常に行っており、停電発生時は瞬時にインバータ出力に切り替えます。
  停電復旧時は、電源投入時と同じように位相合わせ完了後にバイパスリレーを切り替えます。

  停電発生時:瞬断時間は約8msecです。          停電復旧後:切替時間は約2msecです。
  wave_cut   wave_ret

  停電発生から停電復旧後の切替完了までの波形
wave_cutret








停電発生する前、及び停電復旧後の出力切替後は、交流入力からのバッテリ充電も行っています。(DIPスイッチ設定によります。)

4.ブロック図
ups_block

5.動作詳細説明
(1)SAVモード
 通常バッテリからインバータ出力しており、バッテリ電圧が下がった場合のみ交流入力をバイパス出力します。

項目 状態及び動作
条件
項目
 交流入力 あり あり 無し 無し
 バッテリ電圧 ※1 11~14V 11V未満 11~14V 10V未満 14V超え
 ソーラ入力が
 14V/3A以上 ※1
あり 無し あり 無し あり あり あり
動作  ソーラ充電 する しない する しない する する しない
 AC充電 ※2 しない しない しない する しない しない しない
 交流出力 インバータ 交流入力 インバータ 出力無し

 動作チャート
  mode_sav
  T1:交流入力があり、バッテリ電圧が12V(※1)以上あれば、インバータモードとなり、
    出力はインバータ出力となります。この間ソーラ充電を行います。
  T2:バッテリ電圧が11V(※1)まで下がった場合、交流入力があれば、バイパスモードとなり、
    交流入力が直接出力されます。この間ソーラ充電あるいはAC充電を行います。
  T3:バッテリが充電されて14Vになると、再度インバータモードとなり、出力はインバータ出力となります。
  T4:インバータモード中に交流入力が無くなり、バッテリ電圧が10V(※1)近くまで下がった場合、
    インバータ出力を停止します。ただしソーラ充電は行います。
  T6:バッテリが充電されて14V(※1)になると、再度インバータモードとなり、インバータ出力を再開します。

    ※1 12V仕様の時の値です。
    ※2 DIPSWのS2設定(AC充電機能)がONの場合の動作です。

 (2)UPSモード 
 通常は交流入力をバイパス出力しており、停電時はインバータ出力となります。

項目 状態及び動作
条件
項目
 交流入力 あり あり 無し 無し
 バッテリ電圧 ※1 11~14V 11V未満 11~14V 10.5V未満 14V超え
 ソーラ入力が
 14V/3A以上 ※1
あり 無し あり 無し あり あり あり
動作  ソーラ充電 する しない する しない する する しない
 AC充電 ※2 しない する しない する しない しない しない
 交流出力 交流入力 交流入力 インバータ 出力無し

 動作チャート
 mode_ups
  T1:交流入力があれば、バイパスモードとなり、交流入力が直接出力されます。
    この間、バッテリ電圧が14.2V(※1※3)になるまで、ソーラ充電あるいはAC充電を行います。
  T2:交流入力が無くなった場合、インバータモードとなり、出力はインバータ出力となります。
  T3:交流入力が復旧した場合、バイパスモードとなり、交流入力が直接出力されれます。
    充電動作を再開します。
  T4:再度交流入力が無くなった場合、T2と同じ動作になります。
  T5:交流入力が復旧せず、バッテリ電圧が10.5V(※1)近くまで下がった場合、インバータ出力を停止します。
    ただしソーラ充電は行います。
  T6:バッテリが充電されて12.5V(※1)になると、再度インバータモードとなり、インバータ出力を再開します。

    ※1 12V仕様の時の値です。
    ※2 DIPSWのS2設定(AC充電機能)がONの場合の動作です。
    ※3 DIPSWのS3設定(電池種別設定)により変わります。(14.2V/14.6V)