◆概要
巻線を銅線からアルミ線へ変更して、軽量化とコストダウンを実現しました

◆用途例
1. 工作機械の取込や外置きの変圧器の軽量化で、輸出費用の経費削減
2. 電気設備工事で、変圧器の軽量化による増改築時の床抜け対策
3. 電気設備の長距離配線による電圧降下率を低減させる用の大容量トランスのコストダウンなど

◆外観写真・外形図
ALTR


 

 

 

 

 

 

 

◆電気仕様
  ・三相
 ・周波数50/60Hz
 ・一次電圧400V
 ・二次電圧200V
 ・結線Y-△
 ・耐熱クラスH
 ・口出し仕様:先端圧着端子


◆製品ラインナップ

形 名 容量(VA) 外形寸法(mm) 取付寸法(mm) 概算質量(kg)
W H D Ws Ds Φ
TAH3-50kH 50k 600 505 300 250 200 14 220
TAH3-75kH 75k 660 680 350 300 250 14 345
TAH3-100kH 100k 750 680 450 350 250 14 390
TAH3-150kH 150k 900 750 600 400 290 14 520
TAH3-200kH 200k 915 870 630 400 305 16 675

 

Q&A形式でアルミ電線変圧器の紹介をします

なぜアルミ線で変圧器を作るのですか?

すでに白物家電のモーターなどでアルミ線は使用され、軽量化に役立っています。変圧器もアルミ線を使って軽くしようと考えました。

アルミ材は銅と比較すると下記のメリットがあります。
①軽量…銅の1/3の重さ(体積比)
②安価…銅の1/3の価格(体積比)
③安定供給…埋蔵量が銅の10倍、相場が安定しており
 価格の変動が小さい

なぜ今まで活用しなかったのですか?

課題として、導電率が銅の2/3のため、通常通り作ると太い線を使用することになり、
これに伴いコイルが大きくなり鉄心量も増えてしまいます。

☆大きくせずに軽量化するために☆
アルミ線は軽いので鉄心量と電線量のバランスを電線寄りにして、鉄心量を減らす(基準 電気装荷)方向にします。
更に、鉄心の縦、横、積厚より質量が最小になるように設計することで軽量化を実現しました。

設計例  < 三相変圧器、 容量:100KVA、 耐熱クラス:H >
項目 銅線を使った場合 アルミ線を使った場合
電線質量(kg) 105 68
鉄心質量(kg) 336 305
合計(kg) 441 373
質量差(kg) 0 -68
質量比(%) 100 84.6
結 論

上記は100kVAの例ですが、質量比84.6%を実現しています。
約50kVA以上の容量においては、鉄心と電線のバランスにより、質量・価格のメリットが出ます。

実験データ

温度上昇試験結果を記します。
 ・試験変圧器:TR-AI1405
   仕様:3φ 50KVA, 440V-400V-360V/200V, Y-Δ, 50/60Hz, 耐熱クラス H
 ・試験方法:短絡法 60Hz 周囲温度 20℃
 ・試験結果
  上昇値:1次巻線78K 2次巻線87K 鉄芯42K  いずれも120K以下で問題無し
kairo AI1405_deg
    <試験回路>                 <温度上昇データ>