交流電圧・電流の検出値を扱う際に、演算IC(RC4200[フェアチャイルド])を用いてRMS-DC変換していましたが、上記演算ICの生産中止に伴いLTC1966[リニアテクノロジー]を購入し評価を実施したので紹介します。
当社HP記載(生産中止品を用いたRMS-DC変換回路紹介)
交流電圧・電流を扱う際は、実効値変換をよく用います。
安価で正確な実効値-直流変換回路を紹介します。
(1)±10Vpeak の交流電圧を、全波整流回路を通して脈流にします。
(2)演算IC(NJM4200[JRC]又はRC4200[フェアチャイルド])を用いて、RMS-DC変換をします。
(3)扱う周波数によりオペアンプを選択してください。
20Hz~10kHzにて、±0.2%の確度で動作可能です。
1.LTC1966の特徴
(1)最大1Vpeakの差動入力範囲。
(2)最大±5.5Vの両電源が必要。(用途によって2.7V ~5.5Vの単一電源でも可)
(3)RC4200と異なり、全波整流してから入力する必要がない。
(4)真のRMSでAC+DC測定も可能。
(5)50Hz~1kHzで0.25%の確度。
(6)レール・トゥ・レール同相電圧範囲
(7)演算IC周りの部品点数が少ない。(出力コンデンサのみ)
(8)0V付近(0~50mV)は直線性が悪いので、細かい計測分解能を求められる時(0V付近)は、
ゲイン調整、オフセットが必要。
2.評価結果
出力コンデンサによるリップル電圧と応答時間の確認
①入力周波数はリプル電圧に影響が出てくる。
(低周波だとリプル電圧が大きい)立ち上がり時間に
影響はない。
②コンデンサ容量を下げることにより、立ち上がり
時間は速く、リプル電圧が大きくなる傾向がある。
③応答性を優先したい場合はコンデンサ容量を下げ
フィルタ回路を設けてリプル除去する必要がある。
立ち上がり時間 | リプル電圧 |
上部波形 : Vin |
|
演算IC部 バッファ 反転フィルタ
上部波形 : ① |
反転フィルタ後 上部波形 : ③ |
上部波形 : ③ |
①LTC入力波形:AC10Vrms-60Hz
②LTC出力波形:0.31Vdc(リプル:120mVp-p)
③反転フィルタ後出力波形:4.2Vdc