東京精電(株)
1.目的
AC400V系入力の装置に内蔵する小型トランスの安全対策として,過温度センサを内蔵し温度異常時には
AC400V電源を遮断したい。しかし400Vを直接開放する接点や温度ヒューズを探したが見つからなかった。
電流が大きければトリップ機能付きのブレーカなどを利用し主回路を遮断する事も可能であるが,
装置が小型でありコストが高くなる。
そこで温度センサにより過温度を検出した時,交流400Vを半導体により開放する回路を製作した。
2.回路図と動作説明
(1)UV間に電圧が印可されるとゲート回路に電圧が
供給され,ゲート電源+15Vを作る
(2)温度センサは+15Vのゲート回路で動作し,
接点間に高電圧が印可されることはない
(3)過温度により温度センサの接点が動作すると
ゲート信号を遮断し,FETをOFFすることで交流回路を
遮断する
3.動作確認
温度センサ動作時と復帰時の入出力電圧波形
AC380V印可,100kΩ負荷(200V/div,10msec/div)
黄:入力電圧(200V/div),赤:出力電圧(50V/div)
4.結論
(1)400V系の回路をFETを用いることで遮断を行うことができた。
(2)温度センサはバイメタル方式の場合,温度が下がると自動復帰するので別途動作を監視し,
復帰シーケンスを考慮する必要がある。
温度ヒューズを使用するで自動復帰させないことも可能。
(3)実用回路では,FET両端にはサージ抑制のためCRスナバを付ける。
この時の遮断,復帰時の波形を以下に示す。
(遮断時はインピーダンスが高いため出力電圧にエネルギーはない)
以上